2018/09/23

公開シンポジウム「ジオ・データビジュアライゼーションの社会的役割」聴講

先日、生研のコンベンションホールで行われた CSIS-S4D第7回公開シンポジウム「ジオ・データビジュアライゼーションの社会的役割」なる会議を聴講してきたので、簡単なメモ。

柴崎先生が開会のあいさつでおっしゃっていた可視化をする意義。自分も普段からかなり意識していることだが、再認識。
  • 可視化は、個別に見るより分野をまたいで横につないで全体を眺める時に、より意味がでる。
  • 可視化をすることにより、問題意識を共有できる。
  • 可視化には、ある種のストーリ、テーマ、メッセージ、脚本の流れが必要。
  • そのように可視化をした結果をプレゼンすると興味を持ってもらい、さらに新しいデータがくるという好循環を生める。

渡邉先生のヒロシマ・アーカイブの紹介。広島平和記念資料館の平和データベースをたどるだけでは「今の時空間との関係がわかりにくい」が、可視化することで辿れるようになる。これは、やって来るうちに見えてきた、という話が印象に残った。続けることの重要性である。続けるとアーカイブがみんなのものになってやめられなくなってきたとも(便所での雑談)。白黒写真のカラー化もひたすらツイートしていたら、巡り巡って片淵監督にフォローされるようになった。
続けることで見えてきたということは、逆にいうとはじめのうちはあまり見えていない部分が多いということでもある。その時に自分の中の雑音あるいは周りの雑音を気にせずにまずは一歩踏み出せるというのも大事なのだろう(自分はそれが苦手なので)。

ライゾマの齋藤さんは3D City Experience Lab.の活動と1964 SHIBUYA VRプロジェクトを中心に紹介。見えないものを見えるようにする。


日本科学未来館の吉田さんはGeo-cosmosを用いた可視化のプロジェクトをいろいろ紹介。可視化を活用することで、データでコミュニケーションをとる、データから議論へと進める、市民と研究者をつなぐことが可能になっていく。

Takramの櫻井さんはビジネスの可視化ということで、RESASを中心に紹介。「目的をもったビジュアライゼーション」と「目的をみつけるためのビジュアライゼーション」がある。可視化をして、それをどうビジネスにつなげるかが難しい(納品すると表に出せない悩みがある)。

GUNMA GIS GEEKで有名な日経の清水さんは日経:Visual Dataの紹介を中心にデータジャーナリズムの全体像と個々の事例を紹介。かつての写真のようにデータビジュアライゼーションもジャーナリズムに欠かせないものになる(アランスミス(出典を見つけ出せず))。

最後に、Tableauの田中さん。すべての人がデータを見て理解するのを助けるのがTableau、というわけで、実際にTableauを使って可視化を構築するライブデモ。なかなかのインパクトだった。自分はあんなにサクサクとTableauの操作をできない。

自分の専門分野にも関わらず、国内でまだまだ知らない人、知らないシステム、知らない事例がたくさんあると痛感。